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海月プラネタリウム
ここはちいさなちいさな発明所。
白い壁に囲まれた殺風景な部屋の片隅で、ひとりの少年が火花を散らしながらせっせと何かを作っています。
寒さが少し厳しくなってきた夜更け。室内に漂う甘いホットミルクの香りは、サンタクロースのようなふわふわのひげをたくわえた博士が入れてくれたものです。
「そろそろ休んだらどうじゃ」
少年が一息ついたタイミングで、博士は少年に声をかけました。
あまりにも熱心なので、声をかけるタイミングを見計らってうずうずしていたのです。
「うん、だいぶできてきた。でもやっぱりガラクタの寄せ集めじゃダメだ……もっといい材料があれば……」
ぶつぶつ言う少年に、博士はついに少年がおかしくなったのではないかと思いました。だって普段はとてもおとなしい子供だっただから。 両親をなくした少年がここにきて5年、5歳の時から見よう見まねで一緒に発明品を作ってきました。でもこんなに熱心なのははじめてです。
何をつくっているのか、博士はずっと気になっていました。なにせここに帰ってくるなりランドセルを放り出して、もう3時間もせっせと手を動かしているのですから。
「なぁ、そろそろ教えてくれんか。そんなに一生懸命、一体何を作っているのか」
「……クラゲのプラネタリウム。一面の夜空に、クラゲを泳がせるんだ」
<序章おわり、続きは随時執筆中>
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